九州大学大学院システム情報科学府の一般入試を受けてきました
マーシーです。今回は九大大学院システム情報科学府(シス情)の情報理工学部の修士課程一般入試を受験してきたのでその体験談を書きたいと思います。
シス情の一般院試について
入試方法は2つあって、特別入試と一般入試です。特別入試は推薦みたいなもので口述試験のみです。一般入試はいわゆるペーパーテストです。私は他大学を併願していたので一般受験にしました。科目は以下です。
・数学 200点
・専門科目 200点
・(外部英語試験 100点)
1日目午前に数学、午後に専門科目、2日目は面接がありました。
数学
出題範囲は線形代数と解析学・微積分は必答で、ベクトル解析と確率統計は選択です。
特筆すべきことは2021年から線形代数が必答となったことです。選択科目の選択は当日にできるので、どちらも勉強しておいたほうがリスクは下がるかと思います。
黄色い本は九大で使われている教科書らしいです。かなり薄い本で、本だけで勉強するには不親切なところが多々ありました。初学者にはマセマの線形代数をおススメします。エルミートやユニタリーなど複素数との組み合わせは出ないので注意です。
複素関数と常微分方程式はマセマで対応できるのですが、微分積分が特殊だと感じました。九大で使われている教科書を聞いておけばよかったなと思いました。
ベクトル解析はよくみる問題が出題されます。スカラー場、ベクトル場の線積分面積分などです。私が受験したときは面積分が出題されました。
確率統計はめんどくさそうだと思ったので選択しませんでした。
院試でフーリエ、ラプラスが出題されないのは九大の特徴ですね!
専門科目
専門科目は電気回路、情報理論、オートマトンと言語、電磁気学、アルゴリズム/プログラミング、計算機アーキテクチャの6分野中2分野を選択します。選択科目が多いですね。これはおそらく電気電子工学の学生と情報理工学の学生どちらにも配慮してのことだと思います。
私は専門が情報系ではないので電気回路と電磁気学を選択しました。
九大の電気回路の特徴として、交流が頻出です。位相をたくさん考えさせられるので面倒です。4問中2問選択するのですが、私は過渡とインダクタンスを選択しました。面倒とはいっても、パターンは決まっているので過去問をベースに勉強したら大丈夫だと思います。
九大の電磁気学は難しいです。かなり対策しないとまず得点できないでしょう。情報理工の受験生は電磁気学を取る人はいないんじゃないでしょうか。電磁気学を選ぶ人は不利になるとさえ思っています。私はやむなく選択しました(-_-;)
知人に聞いた話だとオートマトンがパターン化していて簡単だということです。
外部英語試験
配点が100点と他大の院試に比べてだいぶ圧縮されていますね。英語対策については別の記事を見てもらえればと思います。
面接
2日目に面接があります。集合場所に全体が集まったあと、1人ずつ別の面接室にエスコートされます。部屋は6つありました。面接室では教授1人と補助の方1人?がいました。
そして、目の前にzoomに接続されたパソコンが置かれています。会場の教授から質問され、パソコンに向かって答える、というスタイルでした。質問内容は専門的なことはあまりなく、雑談に近いと感じました。
受験当日の流れ(個人的体験)
一日目
9:15 九大工学部に到着
10:00 開始
15:45 終了
二日目
12:56 九大工学部に到着
13:40 開始
14:45 終了
受験した感想
まず気になったのがその倍率です。募集要項には情報理工の定員は105名とありますが、一般受験当日に確認すると360人程度受験者がいました。倍率だけなら東大院試と変わらない気がします(-_-;)
次に気になったのが中国語が周りからいっぱい聞こえてくることです。私自身外部生ですので、九大にもともと中国からの留学生が多いのかわからないですが、会場には中国の学生が多かった気がします。
九大伊都キャンには初めていったのですが、非常に広くて大きくて圧巻です。学問を究めることができそうな環境でした。ただ、アクセスが非常に悪いなと感じました。
まとめ
今回は九大シス情の院試について書きました。九大に関してはあまりネットに情報が転がっていなかったので少しでも役に立てればなと思い記事にしました。
今後も倍率が高いことが予想されますが、しっかり対策すれば太刀打ちできますので、過去問をベースに進めるといいいと思います。
追記
合格発表がオンラインで掲示されましたが、無事に合格していました。点数に全く自身がなかったので驚きました。合格者は66名で、やはり倍率は5倍程度だったみたいです。九大の院試は完全に院試成績依存なのか、研究室単位での倍率なのか不明なところが多いです。何か情報があればコメントください。